パソコン講師になったのは、ちょっとしたきっかけです。
パソコンに触れたことも無く、紙にサイズがある事も知らなかった私がどんなふうに
パソコン操作ができるようになったか不思議ですね。
時代は、windows95が売り出された頃になります。
そう、これから一般家庭にパソコンが普及する時代。
企業の取り組みで、パソコンど素人の人がどんな風にパソコンに触れるのかを知りたかったのです。
そんな何も知らない人がシステム開発の現場に行き、少しずつ出来上がっていくプログラムを
テストすることになったのです。
今でいうテスト要員ですね。
素人が触るとキーボードで操作したかと思えば、マウスを使ったりと
いろいろやってしまうのです。
手っ取り早い話が、パソコンに触れたことが無い人が、どこをどう触って
キャー動かない、何これ~、これ壊れている・・・などなどの声を拾って
テストをする人が必要でした。
それにピッタリの人物だったのです。
何しろ、動かなくなったらその場で、プログラマーやSEと呼ばれるパソコンの
システム開発の皆様が動作確認を直してくださるのです。
ここを押して、次は、こっちと段階を思い出すのが大変でしたが、
そんなこんなで、PCの動作確認(テスト要員)として働いておりました。
これをきっかけに、あちこち触っても大丈夫!
と妙な自信がついたくらいです。
そして、少しずつパソコンに慣れ親しんで、何となく操作ができるようになっていったのでした。
時は流れ、再就職のおじさん達のパソコン講座の講師メンバーとして参加。
この時は、おじさん達60名、スタッフ4~5名で講座中の質問や操作のお手伝いで
室内を走り回っておりました。
その中のスタッフの一人が、精神疾患の施設(就労継続支援B型)に勤務しておりました。
講座の中で、おじさん達に接する姿を見てこの人ならと思ったらしく
声かけしてきました。
施設の人達(利用者)の要望でパソコン講座を開催するので手伝って欲しいと言われたのでした。
精神疾患って何?
何も知らないけど、良いですよ!とお返事したのが始まりでした。
そして精神疾患の方々が通う施設でのパソコン講座開始。
スタッフ間では、他の施設とのつながりがあり、〇〇施設にも来てと幾つかの施設に
呼ばれるようになり気づいたら20年以上~も続いているのです。
講座に参加してくださった方は、延べ20,000人は超え。
精神疾患の方の理解も深めようと精神保健福祉士の資格も取得しました。
精神疾患の人達は、飛びぬけて賢い人・中々覚えられない人、過去に仕事で使っていた方など
様々な方がいらっしゃいます。
お薬の関係で落ち着きがなかったり、病状のせいで記憶力が落ちたりという方も多く
どうしたら覚えて頂けるのだろうかと、伝え方や、視覚でなら分かるかと、
あれこれ工夫をしてきました。
それぞれ持っているスキルも様々です。
そんな人たちを一度に相手をするわけですから、講座の中では、全員別の内容をすることが
本人たちには快適なのです。
ご自分のペースで取り組んでいただけるには
効率よく、各人が集中して取り組むには・・・と
考えたら、各人にあう『テキストが必要』になったので『自作』しました。
あれこれ試作、模索しながら作成を続けていますが
この作成したものが良かったらしく
ご自分のペースで周りを気にすることなく
取り組むことができるので、講座が楽しみのようです。
講座内の様子はwordの初級の方、隣ではexcelを練習している方、絵を描いている方
初めてwebで検索する方など、さまざまでご自身の好きなペースで参加していただいております。
精神疾患の方々は、大変な経験をされ自信を無くされている方がほとんどですが、
パソコンは入力したものが目の前に表示され、入力、編集と工程を経てしていくと
結果が瞬時にでますので
出来た!
という感じを味わうことででき、自信回復に役立つようです。
そして、再就職されていく方々もいらっしゃいます。
覚えるのが苦手の人達にお伝えさせて頂いておりますので、
初めての方が、どこが解からないのかが分かるのです。
私もPCに触れたことがなく、あわわしながら覚えていった一人ですから。
宜しかったら気軽にお問合せ下さい。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
たちばな(橘)